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2012/01/06

母の召天

 昨日の朝、4時20分ごろ、私の携帯電話のベルが鳴った。飛び起きて電話に出ると、母の心肺が停止したという知らせであった。すぐに着替えて病院へ急行したが、果たして母のモニターは0を示していた。すぐに医師が来て、瞳孔を確かめ、死を宣言し時刻を伝えた。4時33分、急性心筋梗塞であった。看護士が、昨日の昼から嘔吐が起こり、排尿もほとんど無くなっていたと言った。「なぜ、それを伝えてくれなかったのか」と心の中でいぶかったが、ただ「はい、ありがとうございました」と応えた。昨夜は、夜7時過ぎに病室に来て、母がすやすや眠っているのを見て、安心して帰宅したのに、こんなことになるなんて。あっけない最後であった。病室に来るたびに母のために癒しを祈りつづけたが、何も奇跡的なことは起こらなかった。
 母は、ここに入院して、とても満足していたようだった。家にいたときには、一日中テレビを見ているしかなかった。たまに近くのスーパーまで買い物に行ったり、床屋に行ったり、近所の方々と短い会話をしたり、それくらいが母の世界だった。それと、私が、週1回くらい車で少し離れた大きなスーパーまで買い物に連れていっていたくらいだった。しかしこの病院では、看護士やケースワーカ、作業療法士、言語療法士、栄養士、他いろいろな人が親身になって母の面倒を見てくれた。また、老人を楽しませるためのイベントの数々、それらを母はすなおに楽しんでいたようだった。そして、私や孫たちを彼らに自慢し、彼らからの賞賛を誇りにしていたという。そんな母は、とても輝いて見えた。ここは、母にとって新しい社会だった。たとえ、家に帰れなくとも、母は少なからず幸福だったのではないだろうか。そんなことを考えて、軽い嫉妬を感じながら、そこにたたずんでいた。
 これで、母の人生は終わりを告げた。なんだか、今、本当に一人ぼっちになったような気がした。

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