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2010/11/11

地上の王

第2篇
 現代社会には、神を知らない人々が溢れている。彼らは、それぞれに自己の夢を追い、理想を打ち立て、独自のアプローチで領域を拡大している。彼らは、一つのゲームをしているかのようだ。すなわち陣取り合戦である。そして彼らは、そのゲームの中では、互いに敵同士のように見える。覇者は、常に孤独であり、彼に従う者たちの間にも権力争いが耐えない。しかし、聖書によれば、彼らは実は一人の王に従っているのである。彼は、目に見えない王であり、支配せずして巧妙に全地を支配している。地上の諸王は、みなこの影の支配者の誘導により動かされているのである。そして、その者の目的は、天地創造において神が打ち立てた秩序の変革であり、それを破壊し、二度とそこへ戻らないようにすることなのである。彼は、諸王を乱立させることにより、まず絶対的な価値観を相対的なものに変質させ、それにより真理を見えなくする。そして、多様性の目的を神の栄光の賛美から地に引きずり降ろして、それ自体を偶像と化したのである。
 しかし神は、いま新しい王を立てられる。この王は、自分の利益を求めず、ただ天の神の御心をこの地上で行う。それにより、神の創造の目的である古の価値観が復興する。全宇宙は、この目的のために創造された。そして、彼が地上に姿を現すやいなや、この神の最初の目的が今も有効であることが明かとなる。全地がこの新しい王に服従するからだ。

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国際都市エルサレム

第2章
 エルサレムは、神のご計画の中では、そのころすでに国際都市であった。たとえ、ローマの属国となり、その支配に服していてもである。そもそもイスラエルは、古から世界が注目する国であり、アブラハムが地理的、時間的な基を据え、モーセにより、民族と神との関係を与えられ、ダビデにより人としての生き方を授かり、ソロモンにより国家の機能が与えられ、預言者により将来に渡る発展のビジョンが与えられていた。
 この国際都市には、かつてシバの女王を始め、多くの著名人が訪れた。そしていま、遠い東方の国から3人の著名な博士たちが遙々エルサレムを訪ねて来た。この都市に、世界を凌駕するような大事件が起こったからであった。その徴が天に現れ、博士たちはそれを観測したのであった。しかし、当時そこを治めていたヘロデ大王には、そのような認識はまったく無く、彼の関心は、せいぜいのところ自分の覇権の安定であったのである。彼はこともあろうに、この窮境におけるリスク調査をこの3人の異邦人に依頼した。しかし、元々彼らに天の情報を開示し、エルサレムまで導いたのは、神ご自身だったのである。
 ヘロデは、自分の治世を守るために、博士たちから聞いたわずかな情報に従い、考え得る限りの策を講じ、ベツレヘムとその周辺にいる2才以下の男の子を虐殺した。しかし、神の僕に国境はない。そのとき彼らは、すでに幼子を連れてエジプトへ亡命した後であった。彼らは、エジプトで何を考えたであろうか。聖書には、「エジプトから我が子を呼び出した」と書かれている。つまりそれは、新しい民族の始まりなのである。しかしそれは、新しい民族の誕生であると共に、また一方で古い民族の復興でもあるのであり、それゆえ彼は、救い主、不思議な助言者、栄光の王、ダビデの子と呼ばれるのである。

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系図の意味

第1章
 人はみな、それぞれの系図というものを持っている。たとえそれが目の前にはなくても、彼にも親や先祖たちがいるのだから。それら系図の中には、代々芸術家の家系や、学者を排出してきた血統、また王室の系図等もあるかもしれないが、多くは何の変哲もない系図の数々である。それらは、たくさんの死と出生により、織りなされて来たものであり、多くの場合、互いに関連を持たず、その歴史的な意味も明らかではない。
 しかしここに、一つの系図がある。それには、アブラハムやダビデ等、有名な人、誉れ高い人も載ってはいるが、一方、あの有名なモーセやアロン、エリヤやエリシャ等の名は、そこにはなく、返って異邦人や妾のような女さえ名を連ねている。これはまず、歴代誌の記述に従い、アブラハムから始めて、最初の14代として、名高い族長たちの名を、そして次の14代に王家の名を連ねている。しかし、バビロン捕囚後の14代に連なっている名には、私たちに馴染みのある名は、ほとんどない。かろうじて、エルサレム神殿の復興に貢献したゼルバベルが登場する程度である。彼は、指導者であったが、特別に身分の高い人ではなく、現代的に言えば、企業家がジェネラルプロジェクトのリーダ的な存在だったのだろう。そして、それは、さらに世代を重ねるにつれて庶民的な色合いを深め、最後には、貧しい農民の娘マリアと結婚したヨセフに至り、救い主の誕生までたどり着くのである。それゆえこの系図は、血筋の純粋性を伝えるのでも、由緒ある家系を伝えるのでもない。そこにあるのは、神がアブラハムに与えた約束の成就であり、その意味で、これは神によって作られ、予定されていた系図なのである。しかもこれは、最初の14代により、イスラエル民族との深い関係を持ち、次の14代によって、王制との関係を持っている。そして、最後の14代により、世界中の名も知れない一人の人との関係を持っているのである。つまり、この系図は、全世界に存在する無数の系図からなる人類の歴史という1枚の大きな織物の横糸なのである。
 この系図が完成したことを象徴するかのように、天使がそれも天使長ガブリエルが一人の貧しい乙女の元へ遣わされた。それは、この乙女とその夫に課せられた大いなる戦いに備えさせるためであった。ここにおいて、人類の歴史は、一気に精神的なものとなる。イスラエル民族のすべての歴史は、名もない一人の人の心の王国へと写像されることになった。一人の人間の人生に、天地創造から現代までのすべての歴史が含まれるようになったのであり、彼の魂にそれほどの重みが与えられたのである。それは、時至り、神ご自身が、古の約束に従い、天の御座から降り来たり、人をご自身の花嫁に迎えるために、その罪を購おうと決意されたからであった。

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