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2009/01/23

天国の香り

ネヘミヤ記 第5章
 貴族たちは、エルサレムの城壁の再建に加わろうとしなかった。彼らは、公共の利益よりも、個人的な幸福を求めていたのである。しかし、再建工事に携わっていた者の中にも、富んだ者と貧しい者があった。そして、そのときの農作物の不作も手伝って、貧しい者たちの生活は、厳しさを増して行った。彼らは、そのような状況の中でも、自分たちの町を建て直すことに力を注いでいたのである。しかし、飢饉は激しく、彼らは食物を買うお金がなくなり、家財を売ったり、身売りをしたりせざるを得ないまでになり、そのことをネヘミヤに訴えた。ネヘミヤは心を痛め、他人が自分から借りている負債をすべて帳消しにする決意をし、人々にもそれを薦めた。すると彼らは、このネヘミヤの行為に心を動かされ、自分たちも同様にすることを神に誓った。これにより、城壁の再建は順調に進んでいった。
 神の民は、ときとしてその天国の性質をこの世界に映し出すときがある。それは、もはやこの世の経済や社会の原理に捉われない。そこに現れ出でたものは、永遠の世界の雛形なのである。使徒行伝の時代にも、そのような天国の性質がこの世界に現れ出でたことがあった。「信じた人々の群れは心も思いも一つにし、一人として持ち物を自分のものだと言う者はなく、すべてを共有していた」と記されている。そして、それは、この世の矛盾や不完全さを克服し、解決し、新しい可能性をそこに実現する。神の国は、この世のものではない。それは、無限の世界、永遠の世界からこの世界に下りてきた現実なのである。しかし、それはこの地上においては、長くは続かない。この世の諸々の物や、私たちの心は、それに長くは耐えられない。それゆえ、それはやがて消えていく。そのようにして、それは再び天に戻っていく。しかし、それはあるとき、明らかにこの世界に実現していたのであり、麗しい天国の香りなのである。

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