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2007/11/02

神の関心事

ヨブ記 第35章

 エリフの議論の根底にあるのは、神は人間から遠く離れた存在であり、人と神との間には、どうしようもなく深い断絶があるという観念である。そして彼は言う、「あなたが過ちを犯したとしても、神にとってどれほどのことだろうか。繰り返し背いたとしても、神にとってそれが何であろう。あなたが正しくあっても、それで神に何かを与えることになり、神があなたの手から何かを受け取ることになるだろうか。あなたが逆らっても、それはあなたと同じ人間に、あなたが正しくても、それは人の子にかかわるだけなのだ」と。
 しかし本当にそうであろうか。神は、人間になどあまり関心はなく、この世とは、離れたところにいらして、この世界の汚れたことなどとは関係のない、もっと重要で崇高なことを遂行していらっしゃるのであろうか。信仰者もときおりそんな風に勘違いすることがある。そして、それが神の前に、さも自分を卑下することであり、また敬虔なことでもあるように思えることがあるようだ。しかし、断じてそのようなことはない。神はむしろ、この世界のこと、それも人間に関することにもっとも関心がおありなのだ。
 というか、神の全関心は、実はこの世界、それも人のことなのである。神は、この全宇宙を人のために創造し、助け手を与え、歴史を導き、イスラエルを選び、約束の地を与え、ご自身の愛する一人子をこの世に遣わし、罪の中にいる人の身代わりとして、十字架に掛けて購いをなされたのだから。

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情状酌量の余地

ヨブ記 第34章

 エリフはさらに、ヨブが神の前に正しく振る舞っていないと指摘する。それは、神が正しい裁きを行っておられないとのヨブの主張に対するものである。この世界の善悪の基準は本来、神を中心にして判断されるべきものであるというのがエリフの主張である。パウロもローマ人の手紙の中で、「人はすべて偽り者であるとしても、神は真実な方であるとすべきです」と言っている。
 しかしもしすべてにおいてそうであるなら、人は自分のために人生から何を期待できようか。「もし神の裁きに人が納得できないのなら、人が神に喜ばれようとしても、何の益もない」とヨブは言っているとエリフは糾弾する。しかし、ヨブはそのようなことを言っているのではない。彼は、神は正しいお方であり、行われる裁きもすべて正しいとして、それ故に神が自分に正しい裁きをして下さるはずだと言っているのである。むろん神は真実なお方であり、その裁きはすべて正しいとされる。しかしそれは、神の最終的な裁きのことであって、個々の状況における裁きにおいては、情状酌量の余地が残されているとヨブは期待するのである。
 主イエスも、悪い裁判官に正しい裁きを願う寡婦や、隣の家の主人に急な来客をもてなすためのパンをねだる人を例えに引いて、このことを教えられたのではなかったのか。いや、そもそもイエス・キリストご自身が、一度は罪人として十字架で神の裁きを受けられてから、最終的に復活と召天により、神から義と認められたのではなかったのか。

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神の主権と哀れみ

ヨブ記 第33章

 エリフは、神に対するヨブの姿勢が間違っていると指摘する。「神は人間よりも強くいます。なぜ、あなたは神と争おうとするのか。神はそのなさることをいちいち説明されない」とエリフは言う。つまり、人間に伝えられていない情報が神の側にたくさんあり、従って人間は、ものごとの事情を何も知らないに等しい。そのような人間が、どうして神と争うことができようか。それゆえ、むしろ人間はみな神の前に、御心を知らない罪人であり、生まれつき神に裁かれるしかない存在である。しかし、憐れみ深い神は、そのように無知な人間に対して、それとはなしに、警告を発して、ひどい罪を犯さないように助けて下さっている。また、神の裁きに遭って、滅びの途上にある人にさえも、神は回復の機会を与え、彼を立ち直らせてくださることもある。しかし、これらのことは、すべて人の自由になることではなく、ただただ哀れみ深い神の主権の中にあることなのである。
 しかるにヨブは、自分が神についてなにがしかの知識を持っているかのように、確信を持って自分の義を主張する。そのようなことが、全能の神の御前に正しいはずがない。だからこのような災いがヨブを襲って離れないのであり、ヨブに今求められていることは、そのような固執を捨てて、神の御前にへりくだり、「わたしは罪を犯し、正しいことを曲げた。それはわたしのなすべきことではなかった」と告白するならば、あるいは神は、その主権によりヨブを哀れみ、彼を回復させてくださるかも知れないとエリフは言うのである。

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