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2007/06/29

急使

サムエル記下 第18章

 ダビデとその子アブサロムは、ついに対戦の日を迎えた。ダビデは、これを避けるために逃亡していたのだった。しかしいざその状況になると、戦術に長けたダビデは、手際よく百人、千人に兵士の軍団を組織し、その長を任命し、それらを3人の勇士、ヨアブ、アビシャイ、イタイに委ねた。ダビデの熟練した統率に対して、イスラエル軍は、何の戦略も与えられず、森の中で迷い、ほとんど戦わずに二万人が倒れた。アブサロムは、密林の中を長期間動き回ることを予想し、自分はらばに乗っていたが、それでは、兵士たちの困難な状況が分からなかっただろう。その上彼は、らばが樫の大木のからみあった下を通るときに、頭をひっかけて宙吊りになってしまい、らばはそのまま行ってしまった。それを見たダビデ軍の兵士がアブサロムを手にかけることを恐れてヨアブに報告すると、ヨアブは出て行って自らアブサロムを殺した。
 急使が二人、ダビデに向けて送られることになった。それは、共に勝利の知らせを携えていた。ツァドクの子アヒマアツは、以前からダビデの特使であり、ものごとの成り行きを順序立てて、意味を分析、整理して伝える能力を持っていた。彼は、自分に与えられていた使命に従い、この勝利の状況を、その意味も含めて、いち早く的確にダビデに伝えに行くことをヨアブに嘆願し、受け入れられた。彼は、これまでのように、走りながら自分の伝えるべきことの意味を分析、整理していた。そしてダビデの前に出たとき、「王に平和!」とまず報告全体の主題を述べ、続いて「あなたの神、主はほめたたえられますように。主は主君、王に手を上げる者どもを引き渡してくださいました。」と言った。それは、勝利は最初から神の御手にあり、ただその神の御心により、勝利がもたらされたという、ダビデに対する最高の賛辞であった。しかしこの、彼の考え抜いた報告は、ダビデの最初の質問によって、ないがしろにされてしまった。「若者アブサロムは無事か。」アヒマアツは、その答えを持っていたが、その意味が彼の中で整理されていなかったので、答えられなかった。
 もう一人の急使が到着して報告を始めた。彼は何も準備していなかったが、自分の見たままをダビデに語った。「主君、あなたに逆らって立つ者は、ことごとくあの若者のようになりますように。」

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