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2007/05/14

聖なる怒り

サムエル記上 第11章

 アンモン人のナハシュが攻め上って来て、ギレアドのヤベシュを包囲した。ヤベシュの住民は降伏し、ナハシュに仕えようとしたが、ナハシュの目的はイスラエル全体を征服することであった。彼は、ヤベシュの住民全員の右目をえぐり出すことにより、イスラエルを侮辱し、彼らの戦意を喪失させ、一気に支配しようと企てたのであり、それは成功したかに見えた。ヤベシュの住民は、その身に起こったことをサウルのいるギブアの人々に報告したが、彼らはただ声を上げて泣くばかりであった。
 しかし、そこにサウルが牛を追って畑から戻ってきた。彼は、サムエルにより、民の前で王と宣言されていながらも、まだその自覚を持っていなかったらしい。実際、まだイスラエルには王宮というものすらなかったし、サウルのために王座が設けられるためには、何か世を揺るがすような決定的な事件が必要だったのだろう。
 サウルが事の次第を聞いたとき、彼の上に神の霊が激しく下った。天から来る聖なる衝動、聖なる怒りが彼の心を満たした。この怒りには、理由がない。また、背景も状況もない。天には、そのようなものは存在しない。天にあるのは、ただ高い高い全能者の意志だけである。そして、それが来るとき、それはすべてのものを変える力を持つ。それは、そもそも状況を修復するのでもなく、切り拓くのでもない。それは、言うなれば未来を行使するのであり、その聖なる意志を告げ知らせ、宣言するのである。そして、そのときすべてのものは、その定められていた結末を恐れつつ知ることになるのである。
 かくして、サウルはイスラエルの兵士33万人を引き連れて、ナハシュを打ち破り凱旋した。この日、サウルの王権は確立した。イスラエルを侮るものは、このように打ち倒される。神がイスラエルの王を助けられるから。彼は常に勝利を得、ついに敵の門を勝ち取るだろう。これが、イスラエルの王の主権であり、愛と誉れである。

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