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2006/11/06

「死に至る病」:第一編 死に至る病とは絶望のことである。 三.(Aーaーα)無限性の絶望は有限性の欠乏に存する

 人間は、その無限性と有限性が調和しながら成長して行かなくてはならない。もしこれらの片方がうまく発展しないようなことがあれば、もう一方の発展もまた妨げられ、その結果彼の自己全体の成長が障害を受けることになる。キルケゴールによれば、この自己の無限性と有限性の調和は、自己の力の遠く及ばないものであり、ただ神との関係によってのみ実現され得るものである。
 このように人間は無限性と有限性の綜合であるのだが、それらが調和している状態というものは、彼によれば世間一般には、非常に希にしか存在しない。というのは、多くの人間は、この世界の本質的でないあらゆる事柄に携わらせられて、人生の芝居のために機械のように自分の力を消耗させられながら、ただ唯一の祝福のことだけは決して想い起こさせられないような状態、つまり自己を失うという恐ろしい状態に置かれているからである。それは、人が自己の無限性の中心的な能力である創造力が生み出す人生の幻影に捕えられてしまうからである。この状態は、無限性の絶望であり、それは実は有限性の欠乏により生ずるというのである。
 この絶望の特徴は、自己が絶望しているという自覚症状がないまま、空虚なことに自己の力を浪費してしまい、その果てに、例えば定年を迎えた時等に初めてその重大さに気づくといことである。
 父なる神さま。人生で本当に大切なことを教えてください。

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