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2004/12/10

英語のシステム開発講義

 あれは確か5年程前になるが、私がアフリカ出張から戻ったとき、部長が私を呼んで言った。「この仕事を引き受けてしまったのだが、君に対応してもらいたい。」「はい、かしこまりました。」仕事を受けてから、青くなってしまった。それは国の機関からの、1日だけだが、5時間の地理情報システム開発についての講義の依頼であった。ただし、講義を聴くのは、全部外国人、フィリピンとかアラビヤとかバングラディシュ、タイ等々の国から来ている研修者だということであった。部長にそのことを言うと、彼らはみんな英語ができるから大丈夫だと言った。でも、私はぜんぜん大丈夫ではない。英語がほとんど話せないのだから。
 それから、教科書選びから始めなければならなかった。地理情報システム開発の参考書は、日本では見たことがない。会社の海外営業部に聞いたら、一冊の英語の参考書を持ってきてくれた。それを読むことから始めた。でも、あと2ヶ月しかない。仕事をしながらの準備。だれも頼る人がいない。海外部の理事さんが、私の原稿を添削してくれることになったが、原稿をどうやって書いたらよいのだろうか。
 そんなこんなで、2ヶ月があっという間に過ぎてしまった。100枚程度のプレゼンテーション資料を作り上げたが、どうも5時間は持ちそうに思えなかった。第一、英語でそんなに永い間しゃべることができるのだろうかと思った。
 当日前夜は、やはり徹夜になった。会社近くのホテルを予約して、深夜、いや明け方まで原稿と格闘した。ホテルに入ったのは、朝の4時ごろであった。それでも眠る時間はなかった。原稿を読んでいた。あとは神様に必死で祈った。しばらく祈ってから、もうろうとした意識の中で、何気なくベッドの上を見ると、そこに聖書が開かれていた。そこを読むと、こう書かれていた。
 『神はその中にいまし、都は揺らぐことがない。夜明けとともに、神は助けをお与えになる。』 詩篇 46章5節
 「神様、ありがとうございます。私を助けてくださるのですね。』 それから出かけた。
 講義は、たどたどしい英語で始まったが、用意してきた教材を午前中で使い果たしてしまった。午後からは、ディスカッションするしか方法がなかった。なんということだろう。この私が、ディスカッションの司会をしているのだ。たどたどしい英語だが、司会をしていることは事実だった。その場所で、何かが起きていた。奇跡というのか、そうでもないというのか。でも、客観的には、奇跡的なことだ。でも本人は、とても苦しんでいて、奇跡ならもっとカッコ良くて、派手だろうなどと考えている。しかし、講義は進み、無事終了を迎えた。
 あれはいったい何だったのだろう。今から考えると、あのときは、なんだか英語がしゃべれたような気がしてくる。そして、今はまったくしゃべれない。今あれと同じことをやれと言われても、不可能であることは確実だ。だから、あれは奇跡だったのだろうか。神が私を「夜明け前に」英語が話せるようにされたのだろうか。
 でも、二度とそのような苦しい経験はしたくないので、今はちょっと真剣になって英語を勉強している。

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